巴里便り~今昔★オートクチュール修行@70年代

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カテゴリ:仕事:仲間( 7 )

不況の経済解雇

1978年2月8日(水)
夜の長い巴里の冬に、春の兆しを感じさせる今日この頃です。 朝は八時頃明るくなり、夕方は六時頃まで明るく、日が延びて来ました。
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皆様、お元気でお過ごしの事と存じ上げます。 先日、2月2日に、明彦君からのお便り頂きました。 有難うございました。直ぐに返事を書き始め、この前ページまで書き綴り終らない内に、もう一週間近く経ってしまいます。 書き直して近いうち出すつもりです。

さて、お父さんも今年で退職を決意されるとか。 もうそろそろ楽をして頂く時期ですが、30年勤続と言うと、私の生れた頃から。 長い年月、苦楽を共にした職場を離れるのは、やはり大変、心残りと思います。 私でさえ子供の頃、会社に遊びに行った想い出が、つい昨日の事の様にはっきりと目に浮かんで来ます。 高く積まれた紙の間で、かくれんぼしたり、帰りに両国の花火を見に行ったり~ 色々懐かしい想い出ばかりです。 残されたこの一年は、一日一日が思いで深いものとなって行く事でしょう。
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でも未だ是から、沢山の希望を持っているお父さんに負けない様、我々若い者も頑張らなくては。 私もこの一年頑張ってもう少し貯めるつもりです。 日本に帰って何か出来る様に~ 大きな事でなく自分の力で出来る何か~ 

私は余程頑張って働かないと、老後の年金を当てに出来ません。 フランスで払っている厚生年金は途中で帰国する場合でも、10年以上納めていなければ有効では無いので。
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この所、フランスは大不景気で、ラピドス店もそう長くは無いのでは?と思われます。  今月末に5~6人の解雇。 続いてあちこちのアトリエの人員整理。 先ず有能な人材を選び、其の他は、古い順に残し新人から解雇と言う事になります。 私の場合、古い順では問題無いのですが・・・ 

こうした企業側のやむ終えない事情で解雇 ( 経済解雇と云います) の場合、失業保険は、お給料の90%が一年間、失業手当てとして支給されます。 そして勤続年数に因っても色々加算されたり、支給期間が長くなったり~ 状況に因って条件が違って来ます。
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≪ 高層アパートの引っ越し運搬車:螺旋階段が狭い為:引っ越しは外から ≫
然し一家の主人が失業となると、小さな子供を何人もかゝえて居る家では大変です。 現在は職が無いだけに余計。 幸いフランスでは共稼ぎが多いのでそんな時、どちらか独り手助けとなりますが。 今年は大統領選挙を控えており、今の所、社会情勢はきわめて深刻で、皆、財布の紐をガッチリ 締めて居る様です。

世界中どこも不景気が暴れまわって居る様です。 この手紙も、いつ着くか解りません。 ストで郵便遅配となっています。 そちらからの手紙も順調に着くか宛になりませんし。 又、近いうちに書くつもりです。 同封の写真は昨年:ノエル( X’mas ) にフランシスの実家の庭で撮ったものです。
皆様、くれぐれもお体に気を付けて、お過ごし下さいませ。
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by paridayori | 2017-02-08 10:28 | 仕事:仲間 | Trackback | Comments(0)

~到着

1975年5月2日(金)
一昨日 ( 4月30日 ) 和江さん到着。 飛行機は一時間遅れ~でも遅れたお陰で、私には好都合でした。 皆様で吹込んだテープの会話の様に 《 のんき者 》 の私~ オルリー空港に着いたのが7時半でした。 朝、目が覚めたのが6時半~ 取る物も取敢えず身支度して出掛けました。 空港行きのバス停まで相当有るのですが、運良く乗換えも順調で意外と早く着きました。

電光掲示板を見て、到着の遅れを知り一安心。 和江さんの話では、ソウルから韓国の首相が乗ったので、あらゆる事に時間が掛かり、搭乗時の調べも厳密だったそうです。
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≪ 2012年5月 ベルリン @ シャルロッテンブルグ庭園 ≫
1日から4日間の連休ですが、今日は和江さんを部屋に残し午後1時から出勤しました。 昨日は和江さんの友人と連絡が取れて ベルサイユ宮殿へ。 でも祝日 ( 5月1日メーデー) の為、宮殿内は見学出来ず庭園だけでしたが~ 残念ながら未だお花は咲いてませんでした。 その後、パリへ戻りノートルダムを見学した後、一緒に食事をして別れました。 晴天に恵まれた一日、7~8時間歩いた皆の足は棒の様でした。

今日は二人でサンジェルマン・デ・プレへ出掛けましたが、昨日の疲れで足が痛く、三時間ほど外出して家へ戻りました。 和江さんも飛行機の疲れが抜けぬ侭、二日間も歩き回ったので今はスヤスヤお休みです。 明日、明後日の二日間は、のんびり過すつもりです。

色々お土産を有難うございました。 着いた日に早速、和江さんがお料理して呉て~ 日本蕎麦を食べました。 おそばの茹で加減などさっぱり忘れビクビクですが、少しづつ~ 和江さんに教わりながら失敗せずに作れるでしょう。 なつかしい味、三年半ぶりです。
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テープからは相変らずの家族団欒、楽しく聞かせて頂いてます。 明君から高価なカセットの機械~ 有難うございます。 甘納豆や柿の種~ 本当に懐かしい味を、色々ご心配頂き感謝しています。 サツキの忙しい時期~ 皆様、呉々もお体に気を付けて、お過ごし下さいますよう~ では又。
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≪2012年5月 ベルリン @ アパテル=キッチン & サロン付きアパートタイプ:ホテル ≫
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by paridayori | 2014-05-02 06:14 | 仕事:仲間 | Trackback | Comments(0)

日々向上

1975年1月28日(火)
此処2~3日相当冷え込みましたが今日はみぞれでした。 傘を持つ手が痛くなる程、冷たく吹き付ける北風。 久しぶりに冬の季節感を味わいました。 この所、大変ご無沙汰致しましたが、皆様、お変わりなくお過ごしの事と存じます。 今朝、和江さんからのお便り頂き、荷物の届いた事を知り安心致しました。 
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≪10年後の1985年@ 打合せ中☆青目& 金髪 @ ディカプリオ風~¿? 伊人デザイナー≫
今日、昼にコレクションの仕事を終えホッと一息ついた所です。 仕事が終えた後、シェフの心遣いで近くの お菓子屋さんへ行き、皆で労をねぎらいました。 ラピドス店に入って以来~ こんなに充実し最後まで気持ち良く終ったコレクションは、初めてでした。

ラピドス店の内部事情は非常に複雑で説明は困難なのでやめますが、今回は我々のアトリエにとっては風当たりが強く始まった頃は、この先どうなる事やらと不安な状態でした。 マダム・シモンヌと若いダニエルは行く末を考え、シェフに対する協力も投げやりになり進行状態に支障が出ました。 

そして先週火曜日からマダム・シモンヌが一週間の病欠。  この痛手をカバーしなければならないのに、若いダニエルはシェフが何を言ってもやる気無し。 シェフと私の二人で頑張って居るのを見て彼女も気を取り戻し、最終的には思い残す事ない仕事を一致協力の末、仕上げました。 

ダニエルは23歳、時に気に入らないと残業せずにプィッと帰ってしまったり~ 朝は遅刻すれすれとか、以外と自分勝手です。 仕事は上手ですが~まだ若いので我侭も有るのでしょう、仕方有りません。 

先週は殆ど夜の10時過ぎまでシェフと二人で残業。 早朝、皆の出勤前、広い場所を利用して裁断したり、派遣会社から来ている人達の仕事の準備やら… 朝8時から夜10時迄の勤務時間は何時もと同じでも、内容的には一日中、全精神を集中させ緊張の連続でした。 

特に今回は手伝いの派遣の人達に仕事の説明をしながら自分の仕事。 シェフから次ぎから次へと作業の指図、4~5人の仕事を監督しながら・・・ 相手は私より経験豊富な仕事の達者な人達に仕事の説明、それもフランス語で。
 
疲れて頭の働きも鈍り舌も上手く回らず、つくづく言葉のハンディを感じました。 この事も疲労を倍にした原因です。 然しタフな私、二週間、16日間休み無しでもそれ程、疲れを感じていません。 一両日中に出て来る事でしょう、後遺症が・・・ 
シェフが 『 良く頑張って協力して呉て有難う 』 と言ってましたが~ 私自身、仕事が向上する様~ 多彩な仕事を与え信用して裁断等、重要な仕事を任せて呉た事を感謝しています。 責任感や注意力と言う今迄、必要なかった経験も得られ、一度のミスも無く終りを迎えました。 店の方が如何なるか解りませんが、このまゝ続けばもう一息、頑張ります。では又、この辺で。
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by paridayori | 2014-01-28 07:21 | 仕事:仲間 | Trackback | Comments(0)

時給

1974 年12月10日(火)
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≪2013年12月10日 @ ベルリン ★ 独逸木工細工≫
皆様、如何お過ごしですか~?? 未だ余り寒く有りませんが天気は良く有りません。  最近、巴里では非常に悪い風邪が流行って居ます。  人に因っては40度以上の熱を出し、背骨が痛くなったり咳が激しかったり~~  アトリエではマダム・シモンヌが二週間欠席。 家族全員枕を並べて寝ていたそうで、今日から出勤しました。 代りにシェフのマダム・セシルが風邪で向う一週間の病欠、ダニエルも早退。 アトリエは窓が無い為、空気の流通が良くないので困ります。

今のアトリエに移って大きな仕事机に三人がゆったり~ 仕事の方は順調で前に比べると、別天地。  シェフが色々気配りして呉れて 『 何でも勉強~』 と色々新しい事を教えて呉、任せて呉ます。  少々無理かな~と思う事でも 『 出来るからやりなさい~』 と言えば何でも兆戦しています。  昔、良くお母さんに 『 何でも経験~ やれば出来る~』 と云われたのを思い出しながら~~

先日も一つ直しが有りました。  是は時間的に考えても無理な上、私達の領分では無い既製服の直し~  仕事自体が我々の担当では無いのです。  マダム・セシルは私と同じで頼まれると無理してもやる人、断れないお人好。 勿論、私にお鉢が廻って来ましたが、残業、早朝で何とか時間までに仕上げました。

良く冗談交じりに 『 マダム・セシルに付いて行くと不可能は無いですね 』 と笑います。お人好しの彼女を見て部下の方がいらいらして忠告しています。 『 我々は貴女が与える仕事は何でもします。 でも貴女自身の為に忠告します 』 と言って、余り無理な仕事を全面的に引き受ける時は、年長のマダム・シモンヌが意見します。

本来、我々の仕事は、プレタポルテのオリジナル見本を作り、型紙と一緒に縫製工場や、外国のライセンス契約に向けた仕事です。  名前だけは 《 テッド・ラピドス・モデル・インターナショナル・プレタポルテ 》 とすごい名称が付いています。  10月末には日本の百貨店向けの子供服を作りました。 大人並みに時間が掛るものです。 

是が本来の仕事なのに、オートクチュールのお客様から、挙句の果て既製服のお直し迄。 オートクチュールはマルタの領分ですが、お客様が『 マルタは嫌です 』と断るとか。其処でアトリエ・マルタの作った洋服の直しまで廻って来る始末。 そんな訳で我々のアトリエは大繁盛。 アトリエ・マルタは益々《 開店休業 @ 私事場 》です。

思う存分働けて多種多様の仕事が一度に学べ~ 気持ち良い毎日が送れています。 今月からお給料も上がります。  昨日、マダム・セシルが副社長に頼んで呉ました。 セシル曰く 『 仕事は上手だし真面目で良く働く 』 と昇給を頼んだとか時給8フラン25から9フランになりました。 時給なので月毎に違いますが、月平均173時間で1557フラン ( 約9万円 )、フランスでは低額所得者ですが~仕方有りません。  物価も高くまだまだ楽は出来ませんが、毎日を充実して送れる程、嬉しい事は有りません。 先日も皆とお給料の話をしながら 『 こんな安い給料だけど何故かこの職業、仕事が好きで好きでたまらない 』 と。
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≪ 1974年@アトリエで昼食 ≫
たゞ個人的には~ 何時も日本がもっと近かったら、家族と一緒だったらと思います。 
皆様、風邪には充分気をつけて。 では又。
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by paridayori | 2013-12-10 09:32 | 仕事:仲間 | Trackback | Comments(0)

もう一頑張り

1974年6月29~30日(土~日)
家のサツキ、もう終ったそうですね。 皆様、お元気でお過ごしの事と存じます。 お母さんの腰も中々大変ですね、一日置きに病院通いでは~ 手伝いもしないで苦労を掛けて本当に申し訳有りません。  私もやっと滞在 / 労働許可証も取得出来、今後の目標も決まり頑張って居ます。
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≪1974年 @ Ted Lapidus 本店前≫
最近、日本を発つ時の志が又、息を吹き返した様です。 何かとだらけ始めた気持ちを引き締めて呉る友人が出来ました 先月末、紳士物のアトリエに入った日本人の男性、色々アトリエを変り苦労した様で勉強熱心です。  同じ目的を持って巴里に来た熱意、考え方が似ていて励まされます。

今迄、日本人と話すと何かもう絶望的か、安易な生活をする方が良い様な話題とか、余り意欲的な感化を受ける友人が居ませんでした。  持つべきは友、良い師 & 先輩だと思います。  日本に居る頃の私は恵まれていました。 セツモードの長沢節先生、デザイナーの吉田ヒロミさん、そして両親、姉妹弟と。 今は身近で忠告、助言等をして呉れるのは、両親、姉妹弟等、家族からの手紙だけでした。

好きな事を極め向上させる為に此処まで来たのに、何時の間にか意欲が消え去ろうとしていました。  日本から巴里に 戻って来る友人達に、この職業の将来に絶望を抱く様な話ばかり聞かされ、また自分で確かめる資料も無く、話を丸呑みして意気消沈していた面も有ります。

でも人生を精一杯活用出来る様、努力する事が一番幸せで楽しいですネ。  帰国してからも自分を伸ばせる様、もう少し頑張って力を付けて巴里を去りたいと思います。 洋裁界に入ったのは事務経験の後で年齢的には一歩遅れて居ます。 其の私が一年や二年で何かを修得と思っても到底無理。

今、此処で辞めると、今迄やって来た事がゼロになってしまうので、もう一頑張りします。  この熱が冷めない内に何とか頑張ります。 30代迄に今より少しでも成長出来る様に。 先日、大好きな 《 イヴ・サンローラン*デッサン展 》 を見に行きました。  セツモードに通っていた頃を思い出し、この夏休みは少しデッサンの勉強もしたいと思っています。
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≪ 1968年 @ 水彩連盟展*出展作品≫
昨日は仕事の帰り友人と≪ マレー際 ≫に行って来ました。 マレー区を歩いたのは始めて~ 巴里にもこんな所が・・・と、他所の国を歩いて居る様でした。  ユダヤ街と言われ独特の雰囲気を持った所~  公園でフォークを聴かせたり街角でパントマイムをしたり。 去年はもっと盛大だったそうです。 では又・・・
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by paridayori | 2013-06-30 23:59 | 仕事:仲間 | Trackback | Comments(0)

波乱万丈

1972年7月30日(日)
静かな日曜日。 でも家の中は賑やか。 マダム・オノレの友人が来て大きな音で、レコードを掛けてお喋りして居ます。
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先月末から大変ご心配お掛け致しました。 誠に申し訳ございません。 どうにか就職が決りました。 労働/滞在許可証は、9月にならないと解りませんが… 7月29日~8月28日迄、一ヶ月の夏休み。 

7月末は、コレクションの準備で大忙しでしたが、コレクションも終わり、皆、羽を伸ばしにヴァカンスへ出掛けます。  他国から来ている人は本国に帰省。フランス人は郊外や田舎に出掛けたり、外国に旅行するなど様々。  私も下宿のマダム・オノレと一ヶ月、海へ行く予定~ でしたが・・・
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未だ言葉が未熟なので、この機会に夏期学級に行く事にします。 まさか仕事が見付かる何て夢にも思わず~ その上、入社早々一ヶ月も夏休みが有る何て~ 未だ夏期クラスの申込みをしていませんので、入れるか如何か解りませんが~

勤めていると夜間クラスへ通うのは大変。 何しろアリアンス・フランセーズは毎晩で、宿題も毎日出ます。 書取りも毎日、練習しないと付いて行けません。 夜6時半に仕事が終り、学校に寄って10時過ぎに帰宅。 それから辞書と首っ引きで宿題、予習、書取り練習~ 2時間では足りません。  一日でも休んだり予習をさぼると、  次の日は倍の負担、昼の仕事に響きます。 

仕事第一で来た為、甘くは有りません。  ついつい学校から遠ざかっていました。 6月からやっとマイペースで 独学を始めたら、例の問題で、ペースが乱れてしまいました。 こんな事ではいけないのですが… 今回やっと 掴んだチャンス、この一ヶ月を有効に使いたいと思います。 

来仏9ヶ月を迎えますが、部屋探しから始まり、仕事探し、アトリエでの経験。 外国に住み働く為の許可証申請等、法的な問題に遭遇。 観光では色々名所を訪れ、三回も西ドイツへ旅したり~ 今迄生きて来て 一番波瀾に富んだ経験豊富な日々でした。 

お金の方、7月は収入ゼロかと思っていましたが、大分収入が有りました。  サロメで働いた時、引かれていた休暇分の払戻しと、休みになって働いた分。  ラピドスで働いた一週間は早朝、残業、土日出勤(50~100%割増)で750フラン。 お陰様でサロメの分を合せると、1320フランになりました。 8月休暇分は収入が無いので無駄使いは出来ませんが、まあ何とかなるものですネ。

今度のアトリエは、前より静かなムード、組織が出来ているせいも有るのでしょう。  ラピドスの本店は、オートクチュールとプレタ(既製服)のお店の為、販売関係の他、絵を描いたり生地を選んだりする企画。  紳士、婦人の オートクチュールのアトリエ。   既製服のお直し。 庶務兼会計、付属管理係、その他諸々。 

サロメは職人が何かとお金にガツガツして居ました。 又、そう言う人達が来るのでしょう、あそこは。 一枚幾らで働く為、能力主義と言えばそうかもしれませんが。 パトロンもガメツク、何時も支払いをカットするので、給料日には必ず言い争いが絶えませんでした。 是は醜く嫌でしたが其の点、今度は時給制です。 

一昨日の晩、モニックがサロメの支払いを受取って呉た為、彼女の家へ寄りました。 今は一番の友人です。  サロメも 8月一杯夏休み。 休暇明けに逢う約束をしました。 それ迄にフランス語の上達も~ この5ヶ月間、 朝から晩まで土日を除く毎日、顔を合せ昼食、帰宅路を一緒に過ごし、彼女の家で食事したり泊ったり、巴里に於ける一番の友人です。
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サロメでの経験は貴重でした。 若しこの経験が無かったら上役を通してのオートクチュール入社など、自信有りませんでした。 また雇って頂けたか如何かも? お給料は良く無くても、得た物は多大です。 

責任者:裁断士のロネも、袖付けから何から説明しながら手を取って教え呉ました。 モニックと組んだ仕事は、彼女がジヴァンシーでオートクチュールの経験を持っていた為、しっかりした仕事の指導でした。

ジャネットには意地悪されながらも、時には手伝って呉たり~ コートやスーツの直しは、男性の職人さん達が教えて呉ました。 直し仕事が多かったですが、太ったり痩せたり~直す時、ロネの説明は立体裁断の勉強になりました。 解きながら人の仕事を観るのも、大変参考になりました。 本当は日本ですべき経験を、全てサロメで修得出来ました。

ラピドスの仕事は未だどんな物か分かりません。 コレクションの仕事をしただけですから。 9月からは本格的にお客様が見えるので直しは勿論、難しい仕事も沢山有ると思います。 何でも同じですが、仕事に限界なんて有りません。 

掘り進んで行けば行くほど、難問にぶつかり、難問にぶつかりながら、知識を広めて行くのでしょう。 何も無い、何も出来ない私に出来る事は、努力のみ。 より良い仕事をする為、理解を深める為にも、この夏はフランス語を一生懸命勉強するつもりです。
 
日本の夏は如何ですか? 例年通り蒸し暑いですか? 朝夕の植木の水やり~お母さんのお勤めが始って居る事でしょう~~ お疲れ様です。 お父さんも相変わらず、朝4時起きですか? 夏は疲れやすいので余り無理しない様に。 皆様、呉々もお体に気を付けて、お過ごし下さいませ。 では又。
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by paridayori | 2011-07-30 13:54 | 仕事:仲間 | Trackback | Comments(0)

巴里からの手紙

1971年11月14日(日)
東京の皆様、お元気ですか?? 巴里はもう寒い北風が街角を吹き抜けて行きます。私は元気で東京に居る 頃よりのんびりした毎日を送っています。今は凱旋門近くの安ホテルの屋根裏部屋に住んで居ます。
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来月1日からエッフェル塔の直ぐ傍にある高級住宅街の一室に下宿する事にしました。 老夫婦が暮らして居る古い素敵な建物の4階、日本の5階で部屋はとても綺麗です。台所は有りませんが電熱器が有り部屋で少々のクッキングはして良いそうです。トイレは専用、お風呂は週3回位い入れるそうです。 

門限とか規律の厳しそうなお宅ですが、体の悪い時の連絡先を心配して下さったり何かと安心出来そうです。 フランス語を習うのにもプラスになりそうですし。図々しい私の事、言葉が出来ないのに一人で出掛けて契約して来ました。奥様が英国人の為、英語とチャンポンでまあ何とか…

一度目に伺った時、日本人女性デザイナーで「サンローラン留学日記」の著者にお会いしました。 彼女の本を読んでいましたので話が合い一日、一緒に有意義に過しました。 この方の案内で クリスチャン・ディオール、 ギィ・ラロッシュ、フィリップ・ヴネ、エマニュエル・ウンガロ等、巴里の一流デザイナーのブティックを 見学出来 ました。 何処も目の飛び出る様な高級品で、一人では気後れしてしまいそうなお店です。 

運の良い事に、ジヴァンシーの店ではファッションショーも見る事が出来ました。
此方に来て思い掛けない方と知合い大変幸せです。 どうぞご安心下さい。

学校は夜間で午後7時45分~9時30分迄の1時間45分、毎日です。今はアテネ・フランセの復習なので付いて行けますが、その後は大変そう。クラスは外国人ばかり17~8人で日本人は一人。
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今のホテル、凱旋門の近くなので毎日見ています。凱旋門を下るとコンコルド広場、チュイルリー公園を抜けるとルーブル美術館、その先のノートルダム寺院も見学。ポンピドー大統領のエリゼ宮を通ってオペラ座は車中から 来て早一週間ですが車で見物したり… 東京より狭い巴里、大分見物出来ました。

画家の街、雨あがりのモンマルトル・サクレクール寺院の夜景は格別でした。街は石造りの古い洋館ばかり。 自分勝手のフランス語で地図を片手に一人歩き、まごつきながら地下鉄も… 
でも来て本当に良かったと思って居ます。 

ホテルはスプリングの壊れたベッド、寝るだけの部屋ですが、これも又経験かと~
12月迄の辛抱です。 6階迄の螺旋階段は少々シンドイですが… では又を、お楽しみに。
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by paridayori | 2010-11-14 06:02 | 仕事仲間 | Trackback | Comments(0)
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夢を叶えた落ちこぼれの巴里修行


by paridayori
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