巴里便り~今昔★オートクチュール修行@70年代

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秋の夕暮

1972年9月28日(木)
マロニエも枯葉色になり、もう直ぐ其処まで冬が来て居ます。  日本は台風シーズンですネ。 手紙が途切れがちで申し訳ありません。 

先週の日曜日、友人を訪れた帰り、近くのペール・ラシェーズと言う墓地へ寄りました。 晴れていたので夕方  6時頃でも明るい秋の夕暮れ~  色々彫刻された立派なお墓の多い墓地で、観光名所としても有名ですが、  人がまばらな墓地は余り良い気持ちがしません。 マロニエの実を拾う子供達、静かにベンチに腰掛けて語り  合う老夫婦、一人しみじみと散歩して来ました。
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今週は二度程、お店に日本人のお客様が見えました。 昨日は紳士服のデザイナーで渋谷、池袋にお店を  持って居て今度、巴里にもお店を出すとか。  今日はファッション関係の団体で店の見学。  紳士、婦人服の オートクチュール、プレタを手広くやっているラピドス店。 特に日本では紳士服が有名な様で、日本人のお客様は良いお得意様です。 

先日モニックの家で引越しの話をしたら直ぐに『スーツケース持って手伝いに行く…』と言って呉ました。 多分、引越しは11月になると思います。 壁の塗り替えや色々して下さるそうです。 今の侭でも十分綺麗なのに… 

昨晩、シャンゼリゼ通りで火事があったそうです。  昨年暮れ来て間もない頃、夜空に赤く燃え上がる炎を    見た事があります。 普段から人通りの多いシャンゼリゼ、昨晩はさぞ大変だっただろうと想像します。
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フランスの山々はもう雪の帽子を被ったとのニュース。 ニクソン大統領の訪ソ、田中首相の訪中等~ラジオから流れるニュースのかけらくらい、解る様になりました。

もう直ぐ一年を迎えようとしています。 本当に早く過ぎ去りました。 『あっと言う間~』 の 『アッ!!』がピッタリ。 その割には波乱に富んだ沢山の経験をした一年でした。 十大ニュースでは足りないでしょう。  其の内 振り返って書いてみます。 今日はこの辺で。
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by paridayori | 2011-09-28 05:13 | 風景 | Trackback | Comments(0)

牡蠣の縁

震災被災地への支援として ≪仏の恩返し≫ 報道を目にする機会が多い昨今ですが~  仏料理のアラン・デュカス氏や有名仏ブランド:ルイ・ヴュトン家の当主の語る、日本とフランスの≪牡蠣の縁≫ 40年余り前、フランス:ブルターニュの牡蠣が、ウイルス性の病気で壊滅状態に陥ったとき、宮城県:三陸産の種牡蠣によって救われた~~ 

記事を読んで、当:1972年8月17日付 ≪ラ・ロシェル≫ で、イルドレロンの牡蠣に付いて ≪日本生まれのフランス育ち~≫ として、、養殖をしているご夫妻から伺った話を想い出し、 40年振りに ≪日仏:牡蠣の縁≫ の真相が解明しました。

その昔、イルドレロンを訪れた夏、牡蠣の養殖をしているご夫妻に、海辺で説明頂いた『日本の牡蠣を空輸して養殖~』 と言う事に、何故と言う疑問を持つ程、生牡蠣に対する興味も、知識も無かった時代。只、海辺で食べた取れたての生牡蠣の美味しさが忘れられなかった。

当:1972年1月17日:≪巴里の食事情≫ でも、初めて食べた生牡蠣の感想を 『高級品は私の体質に合わない様だ~』 と書いて居る通り。 日本から態々~と言う話を伺っても  『へェ~ッ』 と感心しただけ、未熟な仏語で、その理由など尋ねる術も無かった。

でも家族への便りに態々書いて居たと言う事は ≪日仏牡蠣の縁≫ に対する、喜びと興味を感じたのかも知れない。あれから40年後、この震災で再び ≪牡蠣の縁≫ が逆の形で復活した事に、何か不思議な日仏の絆を感ずる~~~ 
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≪引き潮のモン・サン・ミッシェル≫
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by paridayori | 2011-09-27 06:58 | 風景 | Trackback | Comments(0)

サマリテーヌ

1972年9月20日(水)
ご無沙汰して居ります。 大分寒くなって来たので引き続き洋服の直しが大変。 昼間一日中アトリエで針仕事、夜、家に帰ってパンタロンやコートの直し、全部手縫いなのでついついご無沙汰です。 

先日、サロメに行った時、マダムに『アルエット何処に居たの?探したのよ』と、冗談でもこんな事言われると嬉しくなります。パトロンもご機嫌でした。帰る時マダムは『滞在/労働許可書が取れたら又、此処へ戻って来て~!!』なんて調子良い事、言ってました。
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午後から、モニック姉妹とシャトレにあるデパート、サマリテーヌまで散歩。 其処で別れた後、サンジェルマン迄 足を伸ばしラピドス店へ。 サロメを紹介して呉れたドミニクや、いつもお世話になる日本女性、のぶよさんが居るので時々寄るのですが、この所一ヶ月程ご無沙汰でした。

ドミニクは仕事どう~?上手く行っている~?と 色々心配して呉ました。 此処の人達も皆、気の良い仲間。 先週は少々沈みがちだったので、何と無く気が晴れました。 何時も感じますが、のぶよさんは 私より年上で 体も細いのに、張り切って仕事をしています。 

8月は売上 一番、9月もトップと聞いて、私もくよくよしては居られません。 彼女が売上トップなら、クチュリエのトップと迄は行かなくても、良い仕事をすると 褒められる位になり度いと、希望が湧いて来ました。  アトリエが変って元気なくして居る様では、未だ未だ未熟です。 仕事一筋に頑張れば落ち込んで居る暇は無いのに… 

今、サロメは蝉の翅と呼ばれる薄いモスリンや、シルク・デシン等、取り扱いが難しい薄手素材の仕事が多いので、土曜日、暇な時は勉強も兼て手伝いに行っています。 テッドのアトリエは厚地のパンタロンとかワンピースばかりなので、薄手の仕事も平行して出来るのは願ってもない事。 決して楽な仕事では有りませんが、カットの責任者が良く教えて呉る点では、勉強になる事も沢山有ります。
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変って部屋の話し~ 又々引越しですが 明日の帰り、ラピドスのシェフ・マルタの両親が持っている、アパートを見に行く事になりました。 若し決まれば10月頃に移れると思います。 15区ですから此処と違ってちょっと上級住宅地区。 環境は良いです。 又、はっきりしたら直ぐ便りします。 では――

回想.70年代 ≪On trouve tous a SAMARITAINE≫ サマリテーヌで全て見つかる~と言う キャッチ    フレーズが有りました。  美しいアールデコの内装が懐かしい~~~ 老朽化の為、現在閉鎖中
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by paridayori | 2011-09-20 04:10 | 花:植物:自然 | Trackback | Comments(0)

すきま風

1972年9月15日(金)
こんにちわ! 皆様からお便りを頂きながら 大変御無沙汰です。 有難うございました。 今週に入り急に寒くなり衣服の手入れに追われて居ました。 以前は平気で履いていた パンタロンなど、全部直さないと 恥ずかしい位、至る所のしわが気になります。 目が肥えて来たせいかと、喜んで居ます。 
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テッドの店は紳士服から始めた婦人服なので、背広型のテーラードスーツ&スカート又はパンタロンの組合せが多く、特にパンタロンのカットには皆の目が厳しい為、視線が気になります。 でも自分の洋服の直しも立体裁断の勉強になります。 

一人で仮縫いをするのはちょっと難しいですが、鏡を見ながら如何にか~Yシャツも左手の袖口が時計のバンドで全部すり切れてしまいました。 少ない数を毎日交替に着用しているので、無理も無いですが… 

仕事の方~ちょっと憂鬱です。 ホームシックの如く、通い慣れたサロメが恋しいと言うか~ モニックと離れたく無かったと言うか~ 5ヶ月間、決して甘い仕事では有りませんでしたが、大変だった5ヶ月を経てやっと、是からと言う時だったので残念です。 
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モニックが 『サロメのマダム・ジュヌヴィエーブが 「ジャポネーズ何処に居るの?」 と聞くので 「ラピドス」 と言ったら 「仕事トレビアンなのに辞めて残念」 と、こぼして居た』 と、教えて呉ました。  木曜日にサロメへ  電話した時、責任者のロネが 『此処に来て一緒に仕事しない?』 と言うので 『勿論』 と答えたら 『何時  来る?』 って~~

今、サロメはプレタのコレクション時期で忙しいのです。 ヴァカンス後、モニックはパトロンのムッシュ・ピエールに 『ジャポネーズは何処か??』 と聞かれたと~  聾唖のジャネットに 意地悪され、中年のマダム・モリセットには 嫌味言われ、パトロンに 《ヴィット、ヴィット:早く早く》 と言われて大変でしたが、巴里で初めて 務めた   アトリエ。  住めば都~?懐かしいです。 

安定したお給料や綺麗なアトリエより、擦り減った古いサロメの階段を上りながら、今日こそは~今日こそは~で頑張っていた頃の方が、張りが有った様です。  モニックと愚痴をこぼしながら、喋れないながらも 一人前に 文句だらだら~楽しい日々でした。 

秋が訪れ~11月が近付くにつれ、私の心にも、すきま風が吹き始めた様です。 朝、肌寒さを感じながらメトロ・アルマからアトリエまでの道のりは、とても侘びしく感じます。 去年から今年に掛けて、あの三ヶ月の職探し~ 思い出すと、希望と失望が 隣り合わせで~ 何と無く 物悲しくなる事も・・・ 

エッフェル塔のマダム・フォンテルの下宿から、このアルマ・マルソー迄の道のり。 セーヌ川に沿って20分足らずの所、マントーに長い襟巻、鼻を赤くしながら~懸命に歩き、あの頃は来たばかりで無我夢中でした。 念願のオートクチュールに勤める事の出来た今…好きなアトリエを去ったこの愚痴は、贅沢なのでしょうか~?
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近い内、このアパートを、去らなければならない様です。  マダム・オノレがアパートを売って、夏に行った実家のあるイル・ド・レロンに、引き揚げると言うのです。 事情は複雑ですが、マダム・オノレも勝手で良い加減なので如何なる事やら。 何れにせよ2~3ヶ月内には移る予定。 
 
事情と言うのは、別居しているご主人との問題。  マダム・オノレは昼間は旦那と一緒に、旦那の店で働いています。 お店を閉めると二人は別々。 旦那は他の女性と郊外に住んで、マダム・オノレは此処へ帰って来ます。 そしてマダム・オノレの所にも、他の男性が通って来ます。 夫妻は未だ離婚していない様で、この休暇中に   旦那の愛人が亡くなり、アパートを売って引揚げると言う事らしいです。 

他人はさて置き、私自身も色々な面でもっと成長しないといけないと思います。 相変らず精神年齢は低いし~ 高校生が其の侭、年齢だけ加算された様な~この先どうなるのか考えると思いやられます。   日本の進歩は目覚しく二年も留守にしたら、浦島太郎になってしまうかも…   巴里は周りを気にせず、マイペースでのんびり暮らせる街なので。

今日はこの辺で。 くだらなく色々書きましたが、今月に入って一度も日本人と話して無いので、日本語を使いたかったのです。 おしゃべりの私がサロメを離れ、ホームシック的感傷を味わって~日本語も使わず、ふさぎ込むのも嫌なので、色々書いてしまいました。 
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明日の土曜日は午後からサロメに行く約束。 モニックに『皆が待っている~』と言われ、良い気になっています  では又~ 皆様、お体を大切に。
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by paridayori | 2011-09-15 02:48 | 風景 | Trackback | Comments(0)

久々の再会

1972年9月10日(日)
大分ご無沙汰してしまいました。  皆様、お変りなき事と存じます。  昨日、静枝さんからのお便りで、テープが届いたのを知りました。  来仏した友人が巴里から出した葉書も一緒に届きましたが、どう言う訳か一週間も  掛かり、残念ながら逢う事が出来ませんでした。 日本からのお客様は懐かしく嬉しいのに~
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金曜日に仕事を終えて、モニックの家に寄り夕食をご馳走になりました。 一ヶ月ぶりの再会でしたがとても懐かしく、仕事やヴァカンスの話等、話題が次々と~~ フランス語もペースに乗ると、大分喋れる様になりました。

昨日はモニック姉妹と「ロック・フェスティヴァル」へ行って来ました。 日本では日比谷公園や富士湖畔で開かれていましたが、一度も行った事、有りません。 ヒッピースタイルの若者から中年、年寄りまで草原に座りフォークロックに合わせ、体で調子をとっていました。 こちらの人は正座しないので皆アグラを掻いて~ 我々三人も   アグラでリズミカルに~♪♪♪ 楽しい一日でした。
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北駅から郊外電車に乗った時、ドアが開いたまま走り出したので 『ドア開いた侭だけど~』って言ったら彼女達  笑って『落ちても大丈夫アルエット(雲雀)だから』と~  冗談も直ぐ理解出来る様になりましたが、早くツーカーになりたいです。  さてそろそろ寝ないと~ 何時もながら乱文乱筆で申し訳ございません。  皆様、早く夏の疲れを とって下さい。 では又
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by paridayori | 2011-09-10 05:46 | 花:植物:自然 | Trackback | Comments(0)

中年暴走族~?!

2011年 某日 目の前に格好良い“HONDA”!! 思わずフォーカス  70年型が復活で人気上昇中~とか!!  是も70年代に、街中を走り回っていたオートバイ~?? 
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金曜の夜のバスティーユ広場には、ハーレーダヴィッドソンやホンダを始め、絶品が集結~!!! 巴里には昔から中年暴走族~?! が潜在 週末には列を成して 深夜の街を豪快に走行~!!! 
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“KAWASAKI”嗜好のMonsieur ムッシュ-少々メタボ 気味 ですが流石爽快に走り去って行きました!!
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斬新なニューモデルも、レトロな巴里の街並みに、溶け込んでいます !!! 
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by paridayori | 2011-09-08 05:43 | 趣味 | Trackback | Comments(0)

ヴァカンス明け

1972年9月2日(土)
お母さんに続き静枝さん、和江さんからのお便り到着。 どうもありがとうございました。皆様、お忙しそうですね夏休み中も~ お母さんの腰、如何ですか? ヴァカンス明け仕事が始って一週間。 今週は余り仕事が無かった割りに疲れました。 一ヶ月も遊んでいたので体の其処此処の機関もお休みしていたのでしょう。
 
涼しかった巴里の夏、暑い夏を過ごしている日本の皆さんに申し訳ないです。 でもヴァカンスが終って皆、帰って来たら小麦色と言うか、焦茶色と言うか良く焼け真っ黒でした。スペイン、イタリアは一ヶ月の内、 雨降ったのは二日くらいで、晴天続きだったとか~ 日差しが強くても乾燥しているので過し易いのでしょう。
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販売員の中年のマダム達もブロンズだとか、体重が減ったとかお喋りに余念が有りません。 こちらでは女性が結婚をしても働くのは当り前です。 オデッタさんの息子さんは飛行機の設計士で、大企業に勤めて居て裕福ですが、収入に関係なく奥さんも銀行に勤めて居ます。

昼間、フランス女性は勤めに出て殆ど家に居ません。 だからTVも騒々しく、朝から晩まで番組を提供しなくて済む訳です。 三食昼寝付と言われる日本の奥さんと、定年迄働き続ける  ヨーロッパの女性、今の私には未だ、どちらが良いか解りません。

日本の機械産業はドイツに並び重視されています。 ホンダのオートバイは街を走り回り、 シャンゼリゼ通りに  あるソニーのショーウィンドーのカラーTVには何時も人だかり。 26日のミュンヘン・オリンピック開会式はきっと 黒山の人だったでしょう。 ニッサン、トヨタは良いとか~ 日本のメーカー名が頻繁に話題に上ります。 日本の機械技術は人気が有ります。 服飾業界、クチュリエは未だ未だコピーばかりですが…

先月30日の朝、ヴァカンス明け1ヶ月ぶりにモニックに電話しました。 とても懐かしく感じられました。 念願のオートクチュールに入社出来ましたが、オートクチュールよりモニックと  一緒に働きたかった~? 何時までも交流を持っていたいと思います。 では~又書きます。
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by paridayori | 2011-09-02 05:14 | 花:植物:自然 | Trackback | Comments(0)
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夢を叶えた落ちこぼれの巴里修行


by paridayori
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